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用語説明

増え続ける生活保護

 ここでは、国民のセーフティネットともいわれる、「生活保護」について解説していきます!どういった制度で、社会的な課題点は何か、埼玉県内の状況はどうであるかということも解説していきます。

 では、まずは、全国的にどういう傾向があるか見ながら、考えていきましょう。


年齢別の生活保護者の推移と全体に占める割合のグラフ

 全国の傾向として、65歳以上の数が増えていて、全体に占める割合が半分近くになっていることが分かります。

引用:厚生労働省ホームページ


生活保護の年齢別推移のグラフ

 次に、全国の生活保護率の年齢別推移をみてください。保護率が増えているということは、先程のグラフでも分かったとおり人数が増えているということを意味しています。

 

黒子の先生
黒子の先生

 保護率は以下のような計算式で算出されているよ。

 保護率=「1ヵ月で保護した人数」÷「各年10月1日の総務省推定人口」×1,000

 引用:厚生労働省ホームページ



埼玉県内の市町村の保護率の表

 埼玉県のホームページによると県内市町村では以下の数値が発表されていました。

 生活保護率が最も高いのは、1位蕨市、2位川口市です。ここは不動の順位ですね。3位は三郷市と新座市で入れ替わったりしています。ただ、蕨市も川口市も数値が低くなり改善傾向になっているのかなと思います。逆に白岡市は、最も低いですね。

 ちなみに、平成26年度の全国の保護率は、1.70です。

福祉事務所名 保護率
平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
さいたま市 1.60 1.60 1.60 1.59 1.57
川越市 1.27 1.29 1.29 1.27 1.26
熊谷市 1.18 1.22 1.23 1.22 1.22
川口市 2.07(2位) 2.06(2位) 2.04(2位) 2.01(2位) 1.99(2位)
行田市 0.98 0.99 1.05 1.11 1.11
秩父市 1.10 1.15 1.18 1.16 1.14
所沢市 1.43 1.44 1.46 1.46 1.46
飯能市 1.05 1.07 1.08 1.09 1.08
加須市 0.96 1.00 1.02 1.05 1.02
本庄市 1.15 1.07 0.95 0.96 0.99
東松山市 0.87 0.99 1.08 1.11 1.14
春日部市 1.20 1.26 1.33 1.38 1.42
狭山市 0.87 0.85 0.78 0.69 0.68
羽生市 0.84 0.85 0.86 0.86 0.90
鴻巣市 0.60 0.58 0.64 0.68 0.70
深谷市 1.02 1.04 1.04 1.04 1.03
上尾市 0.85 0.85 0.87 0.93 0.97
草加市 1.47 1.55 1.59 1.62 1.60
越谷市 1.16 1.18 1.19 1.19 1.20
蕨市 2.22(1位) 2.21(1位) 2.22(1位) 2.14(1位) 2.09(1位)
戸田市 1.66 1.67 1.67 1.65 1.65
入間市 0.72 0.75 0.76 0.81 0.85
朝霞市 1.32 1.35 1.35 1.34 1.36
志木市 1.16 1.16 1.13 1.08 1.04
和光市 0.85 0.85 0.86 0.91 0.89
新座市 1.76 1.75 1.76 1.78(3位) 1.75
桶川市 1.01 1.04 1.01 1.00 0.99
久喜市 1.05 1.07 1.10 1.12 1.16
北本市 1.09 1.09 1.10 1.07 1.07
八潮市 1.71 1.65 1.58 1.53 1.49
富士見市 1.47 1.52 1.53 1.52 1.51
ふじみ野市 1.56 1.57 1.57 1.57 1.54
三郷市 1.78(3位) 1.78(3位) 1.77(3位) 1.74 1.77(3位)
蓮田市 0.79 0.87 0.91 0.88 0.83
坂戸市 0.83 0.82 0.82 0.83 0.84
幸手市 1.27 1.30 1.31 1.25 1.19
鶴ヶ島市 0.98 1.03 1.04 1.02 1.02
日高市 1.00 1.01 1.04 1.02 1.00
吉川市 0.90 0.85 0.87 0.95 0.96
白岡市 0.44 0.45 0.50 0.52 0.55
市      計 1.30 1.34 1.35 1.36 1.36
郡部 0.99 1.02 1.04 1.05 1.06
郡      計 0.99 1.02 1.04 1.05 1.06
県      計 1.28 1.31 1.34 1.34 1.34
※平成24年10月1日に白岡町が市制施行したため、24年度白岡市の数値は10月~3月の平均

 

生活保護とは?

 憲法25条の生存権の保障を具体的におこなう最も大切な制度が生活保護です。どういうことかというと、資産や能力などを全てを活用しても、なお生活に困窮する人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに自立できるよう助ける制度になっています。

 

生活保護の歴史

 1946(昭和21)年に旧・生活保護法が施行されましたが、その内容には欠格事項があって保護の請求権もありませんでした。その後、1950(昭和25)年に現在の新・生活保護法が制定されました。

黒子の先生
黒子の先生

 欠格事項として、素行不良や勤労意欲のないものが挙げられていたんだよ。そうした人には生活保護の許可が下りなかったんだ。

 実は、生活保護について一番古くまでさかのぼると、1874(明治7)年の恤救規則というものからになるんだけど、今回は割愛しますね。別のタイミングで解説は出すかもしれないから、待っててね。

 

生活保護の考え方

 生活保護には、4つの原理原則があります。それぞれどういった内容か見ていきましょう。

4つの原理

  • 国家責任の原理:困窮者に対して国が責任を持って生活を保障して、自立を促す。
  • 無差別平等の原理:すべての国民は要件を満たす限り、無差別平等に保障される。
  • 最低生活の原理:健康で文化的な最低限度の生活水準を維持しなければいけない。
  • 補足性の原理:利用可能な資産や能力など、あらゆるものを活用しても補えない分を保障する。

4つの原則

  • 申請保護の原則:本人や扶養義務者、同居の親族による申請によって開始される。
  • 基準および程度の原則:厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭または物品で満たすことができない不足分を補う程度においておこなう。
  • 必要即応の原則:要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切におこなう。
  • 世帯単位の原則:世帯を単位として、必要かどうかの判断や程度の決定を基本とします。
うっしーちゃん
うっしーちゃん

 ここの部分、大学のテストでも出たよ!!生活保護をおさえる上で一番大切なところだよね!!


保護の種類

 以下の8種類に分けることができます。また、この保護費については課税対象外です。

  • 生活扶助:毎日の生活に必要な食費や光熱水費などの費用※
  • 住宅扶助:家賃、地代または住宅の修理費などの費用
  • 教育扶助:義務教育にともなって必要な学用品代、給食費などの費用
  • 介護扶助:介護サービスが必要な場合の費用
  • 医療扶助:病気やけがなどをした場合の医療に必要な費用(通院にかかる交通費も含まれます)
  • 出産扶助:出産に要する費用
  • 生業扶助:技術を身につけるための費用や高等学校等への就学費用、就職準備などの費用
  • 葬祭扶助:葬儀などに要する費用

※生活扶助に関しては、家族の状況に応じた加算制度もあります。(妊産婦加算、母子加算、障害者加算、在宅患者加算、放射線障害者加算、児童養育加算、介護施設入所者加算、介護保険料加算など)

黒子の先生
黒子の先生

 さらに、地域によってかかるお金が違うため、級地区分もあるんだ。大都市から順に1級地から3級地まで区分して、これをさらに2段階に分けるんだ(全6区分)。さいたま市の場合には、一番高い1級地の1区分として指定されているよ。他には川口市も1級地の1区分だね。参考までに他の県内地域も下に載せておいたよ。

1級地-1 川口市、さいたま市
1級地-2 所沢市、蕨市、戸田市、朝霞市、和光市、新座市
2級地-1 川越市、熊谷市、春日部市、狭山市、上尾市、草加市、越谷市、入間市、志木市、桶川市、八潮市、富士見市、三郷市、ふじみ野市、入間郡(三芳町)
2級地-2 該当市区町村なし
3級地-1 行田市、秩父市、飯能市、加須市、本庄市、東松山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、久喜市、北本市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、白岡市、北足立郡(伊奈町)、入間郡(毛呂山帖、越生町)、比企郡(嵐山町、小川町、鳩山町)、南埼玉郡(宮代町)、北葛飾郡(杉戸町、松伏町)
3級地-2

上記に掲げた以外の市町村

 


生活保護の申請方法について

 お住まいの市町村に問い合わせてください。(別途解説を掲載するかもしれません)

 さいたま市にお住まいの方はこちらから。(さいたま市のホームページにとびます)

生活保護の社会的課題

 有名タレントの親族が長期間不正受給をしていたことが明らかになる問題もあり、厚生労働大臣は、平成24年5月25日に衆議院特別委員会で「受給者を扶養できないという親族に、その理由を証明する義務を課す考え」などを示しています。 

 原理原則と照らし合わせて整理すると、国家責任や無差別平等の原理に異議はないと思います。ただ、最低生活保障の原理については、「一生懸命働いているが、そんなに自由に使えるお金はないよ」という方も少なくないでしょう。

 また、補足性の原理では、利用できる資産や能力を活用するとありましたが、実際のところ「養育費で貯蓄をしているため、親族であっても、援助できるほどの余裕がない」といったこともあると思います。そうした、各個人の状況をどう判断するかは難しいです。

 さらに、本来は受給資格がないにも関わらず、調査を偽り受給し続けるケースや、職を持っていても、相対的貧困になり受給者よりも生活に苦しむ世帯も問題になっています。

まとめ

 以下のようなことがまだまだ対策の余地があると考えられます。

・生活保護の受給をせずに生活が出来るような年金制度の拡充や改善

・働いているが生活に厳しい、相対的貧困者の社会的支援

・生活保護にいたらないような事前の社会的支援

・不正受給の防止

 


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